|
兄貴の名に恥じない弟か―アキュフェーズP−650―
|
|
|
|
|
| |
P-1000は方舟のスーパーウーファードライブ用として活躍した言わずと知れた名機。その圧倒的ドライブ能力とはどんなものなのか?空想し続けてうん十年。現実的な妥協点としては、兄貴は無理でも弟なら何とかなるかもしれないと思い、また、いつかは小型方舟システムとしてバイアンプも試したいと思って買い置きしていたが、実現はいつになることやら。さすがにいつまでも置きっ放しというわけにもいくまいということでスィッチオン。 |
| |
| 思ったより大きい。兄貴も収納可能な大きさで20年前に作ったが、やや小さかったか。それにしても重かった。 |
|
20年以上じっと眺めていたカタログ |
|
|
 |
|
|
|
|
| |
P-1000の弟分として設計されたのが本機P-650。ただし、名前からもわかるが、半分というわけではない。 実測重量37kg、P-1000の半分(25kg)よりは重く、価格も半分より10万円ちょっと高い。外観はそっくりだが、高さ、奥行きは少し小さい。フィンも同じ構造だが枚数は少ない。SPターミナルも907iなんかと比べると巨大だが、1000よりは二回り小さい。脚は共通?で裏にフェルトが張ってあり、ラックに入れてしまえば移動は楽だ。低板は厚いパンチングメタル。トランス、電源のフィルターコンデンサーも容量サイズは小さくなっているがグレードは同じようだ。1000より明らかにグレードダウンされているのは、電力増幅段に使用されているコンデンサーで、1000は音響用、650は汎用品(サンヨーとニチコン)が使用されている。ただ、こうした1000とのグレード差ではなく、むしろ、テフロン基盤をはじめとする、1000との共通点に注目しないとこのアンプの価値を見誤ると思う。
パワーも8Ω負荷で100W(125W)、2Ω負荷までならパワーリニアリティが正確なことも同じである(カッコ内はP-1000)。実際の音が65%であるのかは同時比較試聴をしなければわからならないが、現状では不可能なので、A級録音盤による単独でのパフォーマンスをまとめてみた。 |
|
試聴結果 |
|
- 電源コードは5.5スケア、プリ(290V)が8スケアでは不釣り合いとも思ったが、まずはこれからスタートすることにした。
- ウォーミングアップは最低でも30分は必要。スイッチオン直後から聴くと、CD1枚終わったあたりで一番音がよくなるといったことになる。
- なお、ウォーミングアップは通常は2時間、マニアでは、朝からスイッチを入れ、午後から聴くという場合が多いと思うが、あまりこだわると、生活の自由度がなくなるので最近はあまり気にしないようにしている。
- が、650はやはり15分では足りない感じ、聴いているうちに音の変化が分かってしまう。
- 和太鼓の連打、重機関銃、105mmりゅう弾砲の連射への追従性もよく、90mm戦車砲の瞬発力も文句なし。
- 戦車も軽快に眼前を走り抜け、対戦車誘導弾のうねる様な軌跡もよく再生する。
- 自衛官の「装填よし!」「ガチャン!よーし」の地声の伸びも問題ない(なお、いろいろな音源の中で、これが一番メーターが振れた)。
- 加えて、各音像の輪郭線が消えるというのも特徴、空間に音像がフワッと浮くというか、漂う感じが不気味
- 以上、再生音の諸要素については申し分なく、特jに音場感については、左右が枠に囲まれるといったところもなく、SPユニットの外側に明確に定位する。また、音像及び奥行の前後感の表現が見事で、聴きなれたソフトでも新発見がある、正にaccu-phase。
- 低域は、ド・スーン、ド・カーンではなく、ドスン、ドカンとくる。BHでは制動が効いていい感じだが、一般的なSPでは締りがよすぎるのではないかとちょっと心配になる。
- 兄貴(P-1000)は、「低息が図太いのが特徴、ズシンとくる。中高域も切れよが良く、全体として馬力のあるハイスピードアンプ。分解能は高い」とあるが、
- 弟(P-650)の自己評価は、重量級アンプにも関わらず中高域の切れ、透明度が高く、音場の見通しがよいのが特徴、特に奥行きの表現が素晴らしく、前後の位置関係を明確に出してくる。低域は、ド・スーンではなくドスンとくる。敢えて注文をつけるとすれば中高域の艶、色気だろう。バイオリンソロでは、T500AMkVとの相乗効果で、雪の女王が氷のバイオリンを弾いているように感じるところがあった。とはいえ、「このアンプをSW用に使うというのはもったいない話で、透明で切れの良い中級メインアンプとして一般家庭の高級コンポの主役の座を占めるのにふさわしい」といったところか?
- 繰り返しになるが、音場感、特に音像及び奥行き表現に特徴がある。奥行きの深い機器は多々あるが、前後の位置関係を明確に提示してくタイプは初めて。マルチマイク録音ばかり再生してはもったいないと思った。
- ただし、以上はアンバランス接続での結果である。バランス接続では全体にフワッとして、例によってオン傾向で、高さが出ず、いま一つ。907iに負ける。このアンプはDP-78と同じくらいバランスとアンバランスの音が違い、まるで性格の違う2台のアンプが同居しているようだった。
- なお、このアンプ本来の特性を生かすならDS-A3のような低能率ワイドレンジSPが必要ではないかと感じており、本当の実力を調べるためには高能率BHではなくそちらで試すべきだったと考えている。
|
| |
今回の発見 |
|
- カタログで見比べていたとき、電力増幅段のコンデンサーの種類の違いが気になっていた。上から覗いて普及品と分かってからはちょっとがっかり、音についてはネガティブな印象をもった。
- しかし、実際はそのようなことは一切なく、ちょっと驚いた。音響用部品と普及品の違いは何か?もしかして迷信か?あるいは、普及品の使用方法についてメーカーが独自のノウハウを持っているのだろうか?
- 自分が気付かない迷信がまだいろいろとあるのかもしれない。
|