レファレンスカートリッジ交代

 同じ話題ばかりだと飽きるし、電源コードもエージングが必要と判断し、話題をガラッと変えて今回はカートリッジ。 うん十年レファレンスはMC-L1000を使用してきたが、遂に交代することになった。長岡氏が「MC-L1000を抜いてトップに立った感じだ」と評価した、MC Jubileeである。マニアは早速購入したようだが、当時の定価で20万円ということでとても手がでなかった。20年以上の時を経て、ようやく定価の5割引き以上の価格で購入することができた。 

    プリがC3900の場合、ADを手っ取り早く聴くには、907i付属のハイゲインイコライザーを使うことになる。
 結線の仕方は、まず、ADプレイヤーの出力を907iのフォノ端子に入れ、907iのRECOUTから取り出した出力をC3900のAD端子に入れる。ADと表示されてはいるがライン入力である。これでC3900から見ると純粋に外部フォノイコを使用したことになる。
 音についてはあまり期待していなかったのだが、カートリッジの違いもよく出してくれ、気軽に聴く分には十分と感じた。この時代のプリメインのフォノは、しっかりできている。通常はMCだが、C3900のゲイン切換えを有効活用しようとMM入力も試したが、ゲイン24dBだと僅かなハム様ノイズが気になり、MC入力、ゲイン12dBに落ち着いた。
 低域、スケール感ではCDに負けるが、ボーカルの人間臭さはCDに勝る。プリメイン付属のイコライザーでもこのような違いを出すことから、CDには何か根本的な問題があるのかもしれない。最新のCDプレイヤーではどうなのかな。
 
   
   上記のとおり、現在は907iのイコライザーを使用しているが、購入当初はC290V+AD290のコンビで聴いたので、こちらの感想を以下にまとめた。
結果C290V+AD290
  • 定価の5割引以上の価格とは言え、それなりの値段なので、若干の不安を感じながらのヒアリング。
  • しかし、それは杞憂だった。極めて自然な、生っぽい音で、本当にいい音だと感じさせるものだった。トランジェントのよさはそのままに、MC-L1000でほんのり感じる金属的な響きが取り払われた感じだ。
  • 定価の5割引以上の価格で入手できるのであれば、むしろお買い得ではないかと思った。
  • 鋭い立ち上がり、切れのよさにちょっぴり金属的な響きをもったMC-L1000は、CDが登場しても、そのADらしからぬ音で優位を保ち続けた。
  • ただ、いわゆるアナログらしさを求める立場からは、こうした音の特徴については、好き嫌いが分かれていたようだ。
  • ジュビリーには、真ちゅう色、黄金色のような響きが全くつかない分、恐ろしく生っぽい感じがする。
  • 深夜、部屋の照明を落として聴く「中世のクリスマス」では、コーラスが生霊の様に林立し、ぞっとする。異界の気配に飲み込まれぬよう、腕組みした手に自然に力が入ってくる。
  • 購入者の期待を裏切らない評価をズバリと行う、長岡氏の評価の信頼性を何十年も経って改めて感じることができた。以下、評価文を引用する。
  • 「ドーナツ型のマグネットの中にコイルを浮かせるという理想的な方式の採用で、最高の音質を実現。力強く、繊細で、のびのびとしたハイスピード、ハイトランジェント、ビクターのMC-L1000を抜いてトップに立った感じだ」
  余談 
   このページの作成を契機に、Jubileeの後継や、他社のカートリッジの状況など、久しぶりに見てみた。
 まず、意外だったのは、結構いろいろな種類のカートリッジが出回っていること。残ったメーカーはある意味繁栄しているともいえ、恐竜絶滅後の哺乳類のようだ。次は価格の上昇。以前に比べ明らかに価格帯が上方に展開している。ざっと見た限り、中級機は7万円から30万円、高級機はそれ以上という感じであり、おいそれと購入できる価格ではない。実際の出荷個数やその購買層が気になるところ。
 ここで、長岡氏の批評文で省略した「前記2モデルが従来路線の踏襲であるのに対して、ジュビリーは全くの新開発・・・」という文章が頭をよぎった。つまり、現在のカートリッジには何か新技術が入っているのか?それとも従来路線の踏襲なのか?ということ。もし後者ならCPが気になる。
 以前も書いたが、失われた30年の間、給料は全く上がらず、消費者物価もそれに歩調を合わせたが、ことオーディオ製品についてはコストの価格転嫁が着実に進み、気が付けば2倍、3倍は当たり前!になった。多分、多くのマニアは中古市場に流れたと思うが、最近、特にオークションにおいては、外資が参入してきているようで、落札価格がかなり上昇気味。ある意味、現在の経済情勢を反映しているともいえる。アキュフェーズやラックスマンの修理における外資の利用状況はどうなのだろうか?以前に比べ状況は複雑になっているかもしれないが、一般的なマニアのために存続して欲しいと思う。