C-3900&C-290V&C-280V
    
  C-280V  
   滞在期間わずか1週間ということで、実試聴時間は数時間と限られていたため、的を絞ったヒアリングとなった。  具体的には長岡氏が指摘していた高域のメタリックさの追体験である。とはいえ、30年以上待ってようやく手に取ることができた。感動!
 
  • ラックに入れると、デザインはやはり少し古さを感じる。3900のデザインがそれだけスマートなのだろう。
  • 筺体で注目すべき?点は、底面だ。大きく切り取られたウッドケースの金網越しに金色の基盤が見える。そしてゴツイ内部配線材。止めは、ウッドケースと本体を固定するネジ。BMC?ワッシャーが何と約φ28mmある巨大なものだ。メーカーの設計思想が伝わってくる。
  • 音出し前の残留ノイズチェック。おっ!はっきりシャーと聞こえる。3900より大分大きい
  • いよいよ音出し。音楽性豊か(何と言ったらいいか)、あえていうと290Vから精緻さ(生真面目さ)をとったような感じだ。
  • 低域の切れ込み、迫力は290Vと同等。
  • 肝心の高域の癖については、自分には、音の際にプラチナカラーがのる音像の外側に僅かにプラチナの艶がのるといった感じに聴こえた。あるいはプラチナカラーの照明がほんのり射している感じか。
  • 金色あるいは真ちゅう色の艶がのる製品が多い中、プラチナカラーは珍しいので敏感に感じるのかもしれない。
  • おもしろかったのは、「金田」を聴くと、3900ではさりげなくコーラスを分解し、こんなこと言ってたのかと気付かせてくれる、一方、280Vはエネルギッシュに全体でグイグイ迫ってくるといった感じだった。3900はソフィスティケートされた金田という印象だった。
  • ADは時間がなく、2曲程を飛び飛びに聴いただけだが、立体的で輝かしい音が魅力的だった。AD中心なら、ぜひ所有したいところ。
  • 時の経つのは早く、もう、発売後優に30年以上経つわけだが、信じられないクォリティーである。アキュフェーズ伝説のヒット作として、語り継がれていることが実感できた。
  • ボリュームにガリのない、ルックスの良いJ品?が入手できれば、つまり格安で入手できれば所有したい誘惑に駆られる。
  C-280V→C-3900
    280Vの後、3900を改めて聴くと、音は変わるが良し悪しではなく個性の違いのように感じた。つまり、280Vでは聞こえない音が3900で急に聞こえるようになったとか、音場が広がるとかそういった類ではない。もしそうだとしたら、メーカーが欠陥商品を出したということになる。そんなことは絶対にありえないし、事実、当時の頂点を極めた製品として、絶賛された逸品である。アンプやSPについては、EVシフトのような変化もなく、基盤技術は変わっていない(ボリュームの変更は成立過程を踏まえると新技術ではなく代替技術と考えられる)。したがって、経年変化はあるが時代を超えた相対評価が可能と思う。
 既に、プリとしての完成度が97点とか98点という領域に達しているので、ここから先は、1点あるいは0.5点刻みの階段を1段上がるのに百万以上掛かるのを受け入れらるか否かということではないか。ただ、その1段のためにうん百万掛けるのが趣味ともいえるが。
    1段?上がるために3900の導入に踏み切るか?それには以下の課題の解決が必要。
 
  • ADを聴く場合、別にフォノイコを導入しなければならず、2000、ZRにするにせよ、ラックを2列にしなければならない。
  • そうなると、リビングがリスニングルームになってしまう。
  • となると、別にリスニングルームを用意しなければならず、現状では別に”一軒”必要になる。
  結論 
   久し振り?に290Vをラックにセット。
 
  • 3900に比べると少し古臭いデザインだ。
  • 音出し前の残留ノイズチェック。静かだ。
  • 早速聴く、第一声、お〜「ややネクラで叩きつけ、爆発するような強烈な迫力、fレンジ、Dレンジとも広大、歪みは極小、低域は圧倒的な力強さを持ち、中域は厚みが格別で抜けがよい。全体に透明度が抜群で切れがよく、情報量が極めて多く、解像力も素晴らしいが、かといってそっけない音ではない・・・・
  • また、音場表現についてはミュージックソースではあまり気にならなかったが、今回改めて自然音源を聴くと、音像が空間にポンと浮いているように感じた。
  • というこで諸々考慮し「290V」でいくことになった(ゲインの切り替えがあれば文句なしなのだが)。
  • やはり、オーディオ的に一つの頂点を極めた音だと思った。
  • 音の印象(一面)を絵画に例えると、ダヴィンチの「洗礼者ヨハネ」のようだ。
  • とは言え、やっぱり価格かな。背伸びではなく、つま先立ち、あるいは地に足がつかない状況になりかねい。専用リスニングルームがあり、200万円をポンと出せ、プリとの相性を考慮し他の機器もスパッと入れ替えられる環境であれば結果はまた違ったのかもしれない。
  • 自分の耳で確かめたいとう好奇心に抗しきれなかったが、経験できてよかった。感謝。
  補足〜バランスとアンバランス(ノーマル)接続の音の違い〜
   今回、バランスとアンバランス(ノーマル)入力で、音場感を中心とした音の違いを感じたので、少し調べてみた。
 
  • まず、3900でバランス⇔アンバランス切り替え試聴。確かに音場感は変化するが、何度もやっているとわからなくなってくる。
  • SPから出た音が耳に入ると、脳が過去から現在まで蓄積された聞こえ方のデータと照合し、これまでは上方、今回ははわりと低い位置から聞こえると判断(錯覚)する。
  • しかし、繰り返し試聴の結果、(脳が疲れて)錯覚が起こりにくくなるのかもしれない。
  • そもそも、このような聴き方は、ある意味正気の沙汰ではないので、脳の疲労を考慮し、第一印象を尊重すべきなのかもしれない。
  • このままギブアップしてはと、気を取り直し、改めてよく聞くと、高域のエネルギーが強い”ピヨピヨ”が最初はわりと低く聴こえるので、これに全体が引っ張られているようにも感じた(なお、ピヨピヨ自体は枝?を移動しているが、それを差し引いても、機種や接続によって高さは異なる)。
  • 高能率SPの場合は、音が前にせり出してくるバランスより、少し控え目なノーマルの方が、ニュアンスなど全体の雰囲気で好印象。個人的にはアンバランス(ノーマル)出力を採る。
  • 次に、290V。こちらも改めて意識して聴くと、バランスはノーマルに比べ低く出る。ただ、高域の出方は違う。3900の方が高域のエネルギーが強く、音が前にせり出してくる分だけより引っ張られるようだ。
  • 視点を変えると、D-55、FE-208ESとの相性の問題なのかもしれない。290Vは現用機器と同時代なのでマッチングという点では有利なはずだ。
  • あるいは、ひょっとするとCDのイコライジングが原因かもしれない。
  • バランスとアンバランス(ノーマル)の音の違いはCDプレイヤーで再度確認予定。
  • なお、今回使用したDC-91もバランスとアンバランス(ノーマル)で音が違う。
  • ノーマルの方が音が前に出てやや派手。バランス接続の方が少し引っこんで大人しくなるが、スッキリして全体的なクォリティーはこちらが上と感じた。したがって、プリとDC-91はバランス接続。
  • 高域の位相合わせのようで、高さが出るように、音がせり出し過ぎてニュアンスを損なわないように、機器ごとに調整する必要があり、繰り返し聴きながら調整するのも ちょっと気にかかる。